ライブコマースを成功に導く「分析」方法を解説。改善して売上アップ!

  • 公開日:2022/08/23

ライブ配信を通じて商品購入を促す「ライブコマース」という販売手法が注目を集めています。ライブコマースを成功させるには、継続的な配信だけでなく配信後の分析が欠かせません。しかし、分析と言っても何をすれば良いかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回はライブコマースに必要な分析について考え方から具体的な手法まで紹介します。

1.ライブコマースで「分析」が重要な理由

ライブコマースで分析が重要なのは、分析しないと改善ができず、改善ができなければ効率的に売上を伸ばせないためです。

ライブコマースは配信するだけですぐ売上が爆発的に増加する魔法のような手法ではありません。配信を重ねて企画内容やコミュニケーション方法の改善を続けることで、一歩ずつ視聴者との関係性を深め売上を伸ばします。

改善しなければ売上が伸び悩み、本来ライブコマースが持っているポテンシャルを活かせないことも考えられます。そのような状態を避けライブコマースを成功させるために、改善の前段階である「分析」が重要です。

2.ライブコマースの分析で知っておきたい2つの手法

ライブコマースの分析にあたっては「定量分析」と「定性分析」の2つの手法を利用します。両者の違いは分析の対象とするデータの種類です。

定量分析と定性分析はどちらが優れている・劣っているといった関係性ではありません。両方をバランスよく活用することが重要です。なお、この記事において分析とは「データを解釈し、仮説を立てること」「立てた仮説に対してデータをもとに検証すること」と定義します。

定量分析

定量分析は数値で表されるデータを分析する手法です。下記のようなメリット・デメリットがあります。

メリット
善し悪しを個人の主観に頼らず判断できるため、客観的に意思決定できる
デメリット・正確性を担保するために、多量のデータが必要となる
・視聴者の感情といった数値に表れない要因は分析できない

ライブコマース配信における定量分析で扱うデータの例としては視聴者数やコメント数などが挙げられます。特に重視したいのは視聴者数・購入率(CVR)・購入単価の3つのデータです。
ライブコマースを行う際、基本的には売上をKPIとするでしょう。しかし売上はさまざまな変数から決定される数字であり、単体で扱うには複雑すぎます。したがって売上を下記のように簡易的に因数分解し、個々の数字を改善することで全体としての売上をアップさせるという流れで進めます。

売上=視聴者数×購入率×購入単価

定性分析

定性分析は数値で表せないデータを分析する手法です。メリット・デメリットとしては下記のような点が挙げられるでしょう。

メリット数値に表れない視聴者の感情や購買行動要因を分析できる
デメリットデータの出所、もしくは分析者の主観に大きく影響を受け、客観的な判断ができない

ライブコマース配信における定性分析で扱うデータとしてわかりやすいのは視聴者のコメントや配信後の口コミ(SNS投稿など)でしょう。好意的なコメントの割合といったような扱い方で数値データとして表すこともできますが、詳細な内容は1つ1つ目を通すしかありません。 具体的なデータを見ながら、何が視聴者の心に刺さったのか、何が行動の原因となったのかを分析します。

3.ライブコマースの分析方法「定量分析」

ここではライブコマースにおいて定量分析で実際に扱う項目について解説します。

視聴者数

まずは売上の構成項目でもある「視聴者数」です。単に増減だけを追うのではなく、下記のような点について分析します。

●どのような企画がユーザーの興味を惹くのか
●どの曜日のどの時間帯だと視聴者が多くなりやすいのか
●クーポンやプレゼントでどれくらい視聴者が増えるのか

また流入経路別の視聴者数も重要なポイントです。視聴者数が多い経路と少ない経路をそれぞれ判別し適切な改善することで、視聴者数を底上げできます。

購入商品の傾向

どのような商品が購入されたのかも必ず分析したい項目です。ジャンル・価格帯・配信の目玉かどうかなどを分析することで、ライブ配信で売れやすい商品と売れづらい商品を把握します。ライブコマースでは一つの商品のみを取り上げて紹介するだけではなく、複数商品を組み合わせて視聴者に提案することも珍しくありません。ライブコマースに向いている”商品の組み合わせ”を見つけることも大切です。

購入率(CVR)

次に分析したいのが購入率(CVR, Conversion Rate)です。購入率は視聴者のうち何人が商品を購入したかを示します。

●どのような企画を行うと購入率が上がりやすいのか
●購入率が上がりやすい曜日、時間帯はあるのか
●ニーズに合った配信を行えているのか

購入率では上記のような点を分析しましょう。また配信中のコミュニケーションも購入率を上下させる要因の1つです。分析して購入率アップに効果的だと思われるフレーズが判明すれば、言い方を変えながら繰り返すことで購入率の更なる上昇が見込めます。

購入単価

購入単価も売上を構成する重要な項目です。購入単価は購入者1人あたり平均いくらのお金を使ったかを表します。購入単価については下記のような点を分析します。

●どのような企画で購入単価が上がりやすいのか
●配信の目玉とした商品以外も売れているか
●購入率と購入単価に相関はあるか

視聴者数、購入率、購入単価は3つが掛け合わさって売上を決定しています。したがってどれか1つだけにこだわらず、満遍なく数値を上げていきましょう。

離脱率

離脱率はどこで何人が視聴をやめたのかを意味します。離脱率は売上の計算式に含まれていないものの、売上を決定する重要な要因です。なぜなら売上に着目すると、商品を買わずに離脱する人が多い配信はそもそも視聴者が少ない配信と同じであると言えるためです。
離脱率は下記のような点に注目しながら分析します。

●多くの視聴者が離脱しているポイントはどこか
●視聴者の離脱原因は何か

離脱率を下げるような改善を行うことが、売上の最大化につながります。

リアクション数

いいねやコメントといったリアクションの数もライブ配信の成否を判断するために欠かせない指標です。直接的な売上の構成要素ではありませんが、下記のような点を読み取れます。

●視聴者の満足度が高い配信になっているか
●コメントしやすい環境、雰囲気になっているか
●視聴者のウケがいいのはどのような企画か

「コメントしやすい環境、雰囲気になっているか」という点は、見落としがちですが特に重要と言えます。
視聴者によるコメントでの質問に、出演者がリアルタイムで答えて疑問を解消できる仕組みがライブコマースの強みです。視聴者にとってコメントしやすい環境作りはライブコマースを成功させるために欠かせません

4.ライブコマースの分析方法「定性分析」

ここからはライブコマースの定性分析で扱う項目について解説します。

コメント内容

まずは視聴者からのコメントの内容です。疑問や要望を生の声として知られるため、最も重要と言っても過言ではありません。

特に疑問については積極的に参考にしましょう。想定質問集になければ追加し、また次回以降のライブ配信ではコメントされる前に説明することで、視聴者の疑問を先回りして解消できます。

分析の結果、視聴者が不安に感じやすい共通点がわかれば、ライブ配信だけでなく商品開発に活かせる場合もあるでしょう。

視聴者の感想

SNSでの口コミやアンケートから得られる配信後の視聴者からの感想も必ず分析したい指標です。「ここがイマイチだった」「次回からはこうして欲しい」といった感想が多く集まれば、配信の改善点がわかります

ただしアンケート回答の信頼性については注意が必要です。視聴者が、自分が本当に欲しいものを理解できているとは限りません。善意から答えようと前のめりになるあまり、実情にそぐわない回答をしてしまうこともあります。

スタッフからのフィードバック

制作に関わっていないスタッフからの、フラットな目線でのフィードバックも参考になります。下記のようなフィードバックをもらえると活かしやすいでしょう。

●説明や受け答えがわかりづらくなかったか
●進行で違和感がなかったか
●商品やモデルは見やすかったか

またフィードバックを頼む際は、一般の視聴者と同じようにスマホ環境で見てもらってください。

出演者の感想

出演者の感想も配信後に分析したい要素の1つです。下記のような点を分析・改善します。

●進行しづらくなかったか
●答えられない質問はなかったか

実際に視聴者とコミュニケーションを取るのは出演者です。したがって出演者が違和感・やりづらさを持っていたらライブ配信はスムーズに進みません

5.【悩み別】ライブコマースにおける分析後の改善方法

ここでは、ライブコマースの配信後、分析してわかった課題に対する具体的な改善方法の例を紹介します。

悩み① 視聴者数が増えない

視聴者数が少ない・増えない場合に考えられるのは次のような改善策です。

●ライブ限定特典を作る
●商品や企画に合ったインフルエンサーを起用する
●視聴人数達成でのプレゼントを設定する

ユーザーに「ライブ配信を見たい」と思ってもらえるような施策を打ちます。

悩み② 購入率(CVR)が低い

購入率が低い場合の改善策としては下記が挙げられます。

●ライブ限定クーポンを発行する
●QAを事前に用意し、視聴者の疑問をすぐに解消できるようにする
●ライブ中の売れ行きや在庫残数を表示する
●カートの使用方法を説明する

購入率が低い要因はさまざま考えられます。価格が高い、商品に不安がある、カートの使用方法がわからないなど1つ1つ要因を潰していきましょう。

悩み③ 購買単価が低い

購買単価が低い場合の一般的な改善策は「自社サイトに誘導し、クロスセルを行う」です。ライブ配信の目玉としている商品だけでなく、関連アイテムや類似アイテムも買ってもらいやすい導線設計をします。

悩み④ 視聴者が積極的に参加してくれない

視聴者が積極的に参加してくれない場合には、次のような改善策が考えられます。

●操作方法を説明する
●コメントでの質問や感想を促す
●スタッフがコメント欄を利用する

コメントが少ないと、視聴者がコメントしづらい雰囲気を感じてしまいます。初めのうちは、スタッフがコメント欄を利用して活発な雰囲気を演出するのも有効です。ただしサクラだと思われると不信感につながるため、あくまでスタッフとしてコメント欄を利用しましょう。

悩み⑤ ライブ感を出せず配信が盛り上がらない

ライブ感を出せず配信が盛り上がらない場合の改善策は下記です。

●一斉にいいねを促し、一体感を演出する
●限定特典で配信の特別感を演出する

みんなで時間を共有していることを意識してもらえるような演出をすることで、ライブ感が出ます。

6.ライブコマースツール「Live kit」なら分析サポートも

ライブコマース支援ツール「Live kit」では、配信前の準備から配信後の分析・改善までをサポートしています。

Live kitを利用したライブ配信では、Google Analyticsとの連携が可能です。視聴者の流入経路や年代・性別・地域といった、SNS型・ECモール型のライブコマースではわからない情報を得られるため、より詳細に分析できます。
またLive kit独自の分析機能によって、配信経由での1分ごとの購入者数のような内容も確認でき、視聴者の購入につながる要素を厳密に精査できます。

ライブコマースの分析・改善を行いたい方これからライブコマースを実施したい方にはLive kitがおすすめです。分析の詳細を知りたい方もぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

また、Live kitはIT導入補助金の対象に認定されています。
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