ECサイト運営のよくある課題と解決策まとめ

  • 公開日:2022/11/16

「自社ECサイトを立ち上げたばかりで、新規訪問者が少ない」「自社ECサイトの購入率が悪い」「リピーターの数が少ない」といったように、ECサイト運営をするにあたって、課題を多く持っている方は少なくないのではないでしょうか。

そこで当記事では、ECサイト運営の課題から解決方法までまとめてご紹介させていただきます。ECサイトをより効果的にしたいとお考えの方は、ぜひ当記事を課題解決のヒントにしてください。

目次

ECサイト運営によくある課題

ここでは、ECサイト運営をする上でよくある課題についてご紹介します。

課題①新規訪問者数が少ない

複数のショップを取り扱っているECモールと違い、自社ECサイトは立ち上げてすぐの段階だと、認知もほとんどないため、すぐに新規訪問者を集めることは難しいと言えます。

また、どんなに良い商品をECサイトで販売していたとしても、ユーザーに認知されなければ商品を購入されることはありません
そのため、SNSなどのさまざまなチャネルを利用して認知を広げる必要があります。

課題②コンバージョン率が低い

コンバージョンが低い理由についてサイト自体に問題のあるケースが考えられます。
例えば、入力フォームの項目が多い、お問い合わせフォームや連絡先がどこにあるのかわからない、サイト自体のセキュリティが​​脆弱などユーザーにとって使いにくい、信頼できないといった印象を与えてしまうと商品を買ってくれることはありません。

ユーザーとして使いやすい、信頼できるサイトと感じてもらえるようなプラットフォームの構築を意識するようにしましょう。

課題③客単価が低い

ECサイトの客単価は2つの視点から考える必要があります。1つは商品購入1件ごとの客単価です。もう1つは顧客単位で見た場合の客単価(Life Time Value:顧客生涯価値)です。

多くのECサイトでは新規顧客を獲得するための施策として、新規顧客限定の割引やクーポンなど初回購入特典を付与する施策が行われます。また、いわゆる入口商品(購入のハードルを下げ、まず買ってもらうために用意する商品)戦略を取る事業者も多くいます。

これらの施策を行う場合、新規顧客の商品購入1件あたりの平均客単価は低くなります。これらの施策の狙いは新規購入者に対してその後のリピート購入を促すことで、長期視点での客単価(LTV)を向上させることにありますが、初回購入後から上手くリピート購入に誘導できない場合には短期的にも長期的にも客単価が低くなります。

また、個々の顧客に対して、適切な商品(の組み合わせ)を提案できていない場合も、アップセルやクロスセルの機会を逃すことにつながるため、客単価が低い原因となります。

課題④リピート率が低い

リピートが低い理由の多くは、既存顧客に対しての「商品購入前後のフォロー」や「顧客接点の少なさ」にあります。

継続的なコミュニケーションを取らない、購入者に対してフォローを何もしないといった運営をしているとリピーターにつながる可能性が低くなってしまいます。
商品購入後にも、その顧客が関心を持ちそうな情報を継続的に提供したり、店舗来店やイベントへの参加を案内するなど、継続的に顧客接点を持つよう心掛けることが必要です。

【課題別】ECサイト運営の改善案

ここでは、これまでに説明したECサイト運営の課題に対して、改善案を解説します。ECサイト運営で思ったような効果が出ないと悩んでいるEC担当の方はぜひご参考にしてください。

新規訪問者数が少ない

新規訪問者数を増やす方法として、主に下記4つの方法があります。

①SNS運用
②WEB広告
③SEO対策
④キャンペーン実施

それぞれ解説していきます。

①SNS運用

Instagram、Facebook、Twitter、TikTokなどのSNSは、多くの人に情報を認知させることができ、さらに、ユーザー投稿に対して企業アカウントが反応するなど、コミュニケーションが取れるので、エンゲージメントの向上も期待できます。
SNSはそれぞれ特徴が違うので、目的に合わせたものを活用するようにしましょう。

SNS特徴
Instagram・写真や動画、テキスト
・20~30代女性の利用が多い
・ハッシュタグ検索で情報を調べる
・画像の訴求が強み
Facebook・写真や動画、文字
・20代~50代男女が中心
・実名制(InstagramやTwitterは匿名)
・長文の文字も可能
・Facebookイベント機能があるためイベント情報などの
利用もおすすめ
Twitter・140文字のテキスト、写真や動画
・10代~30代男女が中心
・拡散力が高い
・新商品やセールのお知らせなどの利用がおすすめ  
TikTok・動画、写真+テキスト
・10代〜20代の男女が中心
・拡散力がたかい
・ユーザーから共感を集めやすい

②WEB広告

WEB広告には様々な配信形態があります。その中でよく利用される広告が「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」の3つです。

リスティング広告は、検索エンジンで検索を行う時に、検索したキーワードに合わせて掲載される広告のことです。キーワード検索はユーザーによる主体的な行動であるため、比較的見込みの高いユーザーをECサイトに誘導することに長けています。

続いて、ディスプレイ広告は、記事内やサイト内にバナー形式で表示される広告を指します。ディスプレイ広告はリスティング広告よりも低いクリック単価で多くのクリックを集めることができます。認知拡大などを目的とする場合によく利用される広告です。広告を配信する対象ユーザーや広告を表示するWEBサイトなどは細かく設定することが可能です。

最後にSNS広告は、InstagramやFacebook、Twitter、TiktokなどのSNSプラットフォーム上で、投稿のタイムラインなどに掲載される広告です。近年では世代間の差もありますが、マスメディアよりもSNSの閲覧に時間を割く傾向にあります。多くのユーザーが集まるSNS上で不特定多数に認知を広める際に向いています。SNSごとにユーザー層が異なるため、自社の商材に合うSNSを選択することと、各社が提供するユーザーターゲティング機能を上手く設定することが重要です。

その他にも、ECサイト向けのGoogleショッピング広告というものもあります。これは、商品情報をGoogle検索上位に表示させる広告になります。
これらのWEB広告を活用することで、多くのユーザーに情報を認知させることができ、サイトの訪問者数を増やすこともできます

③SEO対策

SEO対策は、Googleなどの検索エンジンの検索結果上位に自社サイトのページを表示させる取り組みを言います。SEO対策として代表的なのが「コンテンツSEO」です。
これは、自社ECサイトで記事コンテンツを配信してユーザーの流入を増やすというもので、例えば、食品に関するECサイトを展開している場合は、「ママが教える!おすすめ簡単レシピ!」「たった5分でメイン食材ができちゃう!お気軽レシピ!」などといった記事コンテンツを掲載します。

記事コンテンツは自社で一から用意する方法と、専門事業者へ制作を委託する方法があります。コンテンツを自社で用意できれば、費用を抑えてすぐに実行できます。ただし、コンテンツ作りのノウハウがない状態で記事を作っても、上位表示されるとは限らないため注意が必要です。専門事業者へ制作を委託しつつ、最終的なコンテンツの監修を自社で行う形で取り組むことで、SEOとして有効かつ自社オリジナルのコンテンツを作り上げることが可能になります。

なお、SEO対策の成果が感じられるまでには通常で3か月~半年程度の時間がかかります。そのため、検索上位化を実現するまでは該当キーワードに対して「リスティング広告」を配信することで自社サイトへの流入を逃さないようにすることをおすすめします。

④キャンペーンを実施

短期的に訪問者数を増やしたい時は、クーポン配布や半額割引などのキャンペーンを行うことをおすすめします。

多くのユーザーは、特典やクーポンといったお得情報に興味を持っているため、特別キャンペーンを実施することをWEB広告やSNS投稿などにより告知することでECサイトへの訪問を増やすことができます。最近では、新商品の発売時などにSNSのフォロー&リツイートキャンペーンが多く実施されています。

コンバージョン率が低い

コンバージョン率を高める方法として下記の5つについてご紹介します

①アクセス解析をする
②サイト改修を行う
③決済方法を増やす
④ライブコマースを実施する

①アクセス解析をする

ECサイトを運用する担当者にとって、アクセス解析は必須といえる業務のひとつです。アクセス解析を行うことで、ユーザーの購入までのプロセスが可視化できます。

いつ、どのページを見て、購入に至ったかなどのユーザー導線を追うことができるため効果検証ができます。施策に対して、しっかりPDCAを回すことでコンバージョン率の向上につながります。

②サイト改修を行う

ECサイトのアクセス解析を行った後に、サイトの滞在時間や離脱率が高ければ、ユーザーがECサイトに対して使いにくさを感じている可能性があります。

具体的な改善策として、サイト内の商品カテゴリの見直し、サイト遷移や立ち上げ時の表示速度の改善、サイト内検索の設置、関連商品やユーザーに合った商品の表示などが考えられます。

取り扱っている商品が多いECサイトを運営している場合は、ユーザーに合わせた関連商品を、レコメンド機能を活用して表示することで、新しい商品を知ってもらう機会を増やし、より多くの商品を購入してもらえるようになります。

③決済方法を増やす

幅広いユーザーのニーズに応えるためには、決済手段を複数用意しておくことをおすすめします。理由は、ECサイトにおいて、「決済手段が豊富かどうか」は売上の伸びに直結するためです。

実際、2018年に大手ECサイトメディア「ECのミカタ」が行った、
「よく利用する決済手段がない場合どうするか」の調査では、
「サイトを離脱する」が、男女ともに60%以上(男性:63.2% 女性:62.6%)
「他のショップで同じ商品を探して購入する」が、男女ともに45%以上(男性:48.9% 女性:46.2%)

でした。そのため、さまざまな決済手段に対応できるECサイトを構築することが、ビジネスを展開する上でより重要だということがわかります。
また、満足度の高い決済方法は下記6つになります。

・クレジットカード決済
・コンビニ決済
・代金引換
・銀行振込(郵便振替)
・キャリア決済
・電子マネー(Suicaなど)

参考URL:利用したい決済手段がない場合、6割近くが離脱

④ライブコマースを実施する

ライブコマースとは、オンラインでライブ配信をしながら商品を紹介し、視聴者に商品を販売する手法です。

配信者と視聴者はチャットなどを通じてコミュニケーションを取ることができ、商品に関する質問回答などをリアルタイムに行うことができるため、商品やブランド理解が深まり、顧客エンゲージメントやコンバージョン率が高くなる特徴があります。

一般にECサイトのコンバージョン率が2~3%と言われる一方で、ライブコマースの平均的なコンバージョン率は10%程度とも言われています。

客単価が低い

客単価を上げるために下記の方法があります。

①顧客に合わせたクロスセル・アップセル提案を実施する
②ライブコマースを実施する

詳しく解説していきます。

①顧客に合わせたクロスセル・アップセル提案を実施する

顧客全員に同じ商品やサービスを一律で提案するのではなく、一人一人の属性や興味関心、行動履歴に基づいてクロスセル・アップセルを提案することが大切です。

例えば、ECサイト内にレコメンド機能(おすすめ機能)を搭載して、ユーザー商品の閲覧履歴に合わせておすすめ商品を提案することでクロスセルやアップセルを促します。

②ライブコマースを実施する

客単価を上げるための方法としてもライブコマースを有効活用することができます。

前項でも触れていますが、ライブコマースには商品やブランド理解が深まり、顧客エンゲージメントやコンバージョン率が高くなる特徴があります。

単体の商品のみを紹介するのではなく、複数商品の組み合わせを具体的に提案したり、既に商品を購入している顧客へグレードアップ商品を訴求したりするなど、クロスセル・アップセルによる客単価向上に貢献します。ECサイト上では「この商品も一緒に購入されています」と商品を表示するだけしかできませんが、ライブコマースであればより効果的な紹介が可能になります。

リピート率が低い

リピート率を上げる方法として、下記の方法があります

①メルマガ配信/LINE配信
②WEB広告(リターゲティング広告)

①メルマガ配信/LINE配信

リピート率を上げる方法として、メルマガ配信やLINE配信があります。

メルマガは、既存顧客とのコミュニケーションツールとして活用されますが、定期的にメールを送り続けることでブランド名やショップ名を覚えてもらったり、何かのタイミングでリピートにつながったりする可能性が高くなります。

LINEは、メルマガよりもリッチなコミュニケーションツールとして活用されています。商品やセール情報の投稿も行いますが、企業から顧客への一方通行の配信だけでなく、LINE上で簡単なQA応答を行ったり、問い合わせの窓口を設けたりするなど、オンライン上のサービスカウンターのような役割を持たせる場合があります。

②WEB広告(リターゲティング広告)

リターゲティング広告とは、過去に商品を購入したユーザーや一度ECサイトに訪れたことのあるユーザーに対して広告を配信することができる広告手法を言います。

一度購入してくれたユーザーに対して、キャンペーン告知などの特典を広告で配信することでリピート率の向上につながります。

ライブコマースを活用するなら「Live kit」

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まとめ

当記事では、ECサイト運営での課題と解決策についてご紹介させていただきました。

自社のECサイトは、楽天やアマゾンのような複数のショップが一つのサイトにまとまっているモール型ECサイトとは違い、ユーザーをいかに集めるかが最初のステップになります。新規訪問者を集める方法として、「SEO対策」「SNS運用」「WEB広告」などがあります。新規訪問者が増えたとしても、次に「購入率が悪い」「客単価が低い」「リピーターが少ない」などの問題も出てきます。

そうした場合、アクセス解析を行いながらどの箇所に問題点があるのかを炙り出して、PDCAを回すことを心がけましょう