【業種別】EC成功事例を紹介。成功事例を参考に改善しよう!

  • 公開日:2022/11/14

インターネットが普及し、企業ビジネスにおける販路拡大の施策として、ECサイト運営が一般的となりました。さらに、2019年から流行している新型コロナウイルスの影響で人々の在宅時間が増え、ECサイト需要も大幅に増加。そうした背景により、EC業界に参入する企業が年々増え続けてきました。

しかし、参入する企業が増え続けることで競合性が高まり、ECサイトの運営を成功させるためには、今まで以上にユーザーのニーズを細部まで深堀した経営戦略が必要となります。そのため、ECサイト運営に頭を抱えている担当者様は多いのではないでしょうか。

そこで当記事では、ECサイトの成功ポイントから他社の成功事例を取り上げながらEC業界の現代の成功方法ついてご紹介させていただきます。

「ECサイトによる費用対効果が年々減少してきている」
「ECサイト運営で成功するためにはどうすればいいのか」

このような悩みを抱えているEC運用担当者の方は、ぜひ本記事を読み進めていただきご参考にしていただければと思います。

目次

ECサイト成功のポイント

ここでは、ECサイト運営を成功させるためのポイントを紹介します。

ポイント①購入のハードルを下げる

ECサイトを成功させるために、購入へのハードルを下げるための施策が必要です。

あまり認知されていない商品を購入する場合、認知している商品に比べて、商品購入への意思決定が遅くなります。
例えば、新しい化粧品の購入を検討していた場合、「自分の肌に合うものなのか..」「ベタつきはないのか」などをしっかり確認してから買いたいと考える方は少なくないと思います。

そこで、「初回お試し」や「無料サンプリング配布」を活用することで、ユーザーに対して商品購入へのハードルを下げることができ購入につながりやすくなります。
また、一度使って良いと感じてもらえれば、リピーターになってくれる可能性も高まります。

ポイント②購入までの導線を短くする

実店舗を構えている小売店では、店舗で商品をたくさんみたり、商品の説明を受けたり、チラシをもらったりと滞在時間が長くなるにつれて購入の確率が格段に高まります。また、すでに買いたい商品が決まっているお客様は、商品コーナーや売り場が確保されていてすぐに購入できるような導線になっています。

ECサイトも小売店と同様、購入導線を意識することが重要です。
ECサイトの購入導線を短くする方法として、商品詳細ページに追従型「カートを追加」のボタンを設置したり、カート追加からすぐに購入のアクションを行ってもらうため必要情報の入力をなるべく少なくしたりしましょう。

ポイント③ECサイトの遷移スピードを早くする

基本的に、インターネットユーザーはせっかちです。欲しいと思っている商品がすぐに表示されないとそれだけで離脱に繋がってしまいます。

店舗で商品を購入する際も、その商品について聞きたいことがあるのにすぐにスタッフが助けてきてくれなくて購入をやめたなんて人も少なくないと思います。

このように、ユーザーの悩みに対してすぐに答えられるように遷移表示スピードを上げることでユーザー体験が向上し、購入にもつながりやすくなります。

ポイント④カスタマーサービスの質を高める

カスタマーサポートは顧客満足度を向上させるために、非常に重要な役割を担っています。商品はもちろん、お問い合わせへの応対が良いとユーザーは企業に対する期待値が上がり、顧客は満足感を得やすくなります。さらに、顧客満足度が高まることで、良い口コミを得たり、リピート率が高まったりするため、結果的に売上の向上につながります。

ポイント⑤顧客のショッピング体験をパーソナライズする

ECサイトをみている人の中には、買いたい商品はないけど魅力的な商品を探している人もいます。そうした潜在的なニーズを持っているユーザーに対しては、レコメンド機能を活用しましょう。
過去購入した商品や検索しているクエリ、閲覧しているコンテンツ情報を元にその人に合った商品情報を表示することで、ユーザー体験が向上しクロスセル(既存の顧客に別の商品の購入を促すビジネスモデル)につながりやすくなります。

ECサイト成功事例【アパレル】

ここでは、アパレル業界のECサイトの成功事例をご紹介します。

ユニクロ

日本発の世界的ファッションブランド企業である「ユニクロ」は、ECサイト運用を成功させている企業の一つです。

ユニクロが提供するECサイトのアプリでは、ダウンロードの利用を促すために下記の施策に取り組んでいます。

①今すぐ使える500円クーポン

②オンラインアプリだけの限定商品

結果、アプリの利用者を年々増やしていき、2021年8月末時点で国内のアプリ会員は5,700万人にまで到達しました(グローバルだとアプリ会員は1.4億人)。

参考URL:有明プロジェクトについて~“情報製造小売業”の実現に向けて~

さらには、商品受け取り先に店舗を指定できたりと、オンラインとオフライン両方の施策を使い、クロスセルやリピート増加に繋げています。

ベルーナ

アパレルやインテリアを取り扱う総合通販事業を展開している「ベルーナ」は、2021年のEC通販事業における売上高が前年比138%増の146億円と大きく伸長しました。

EC通販の売上が伸びた要因に、「ターゲットユーザーに向けた商品コンテンツの充実化」「在庫の徹底管理」の2つが挙げられます。

商品コンテンツの充実化は、ターゲットとして40〜55歳のミセス層に絞り、そのユーザーが求める機能性・利便性に特化した商品の開発を行い、リピーター率の向上を実現させました。

在庫の徹底管理は、売れている商品の在庫切れが起こらないように商品管理をきっちり行うことで、ユーザーに「品揃えを見せる」ことで、顧客ロイヤリティの向上に繋げて集客を伸ばしました。

引用文献:2021年3月期決算説明資料

ECサイト成功事例【コスメ・化粧品】

続いて、ECサイトにおける美容業界の成功事例についてご紹介します。

資生堂

大手化粧品企業である「資生堂」では、ECサイト「ワタシプラス by SHISEIDO」を運営しています。

ここでは、資生堂が販売する商品が購入できるオンラインショップを展開しているだけでなく「お肌に効くレシピ」や「メイクのハウツー動画」を紹介する美容情情報やECサイト内では「バーチャルメイク」ができる機能までついており、従来実店舗でしか行うことのできなかった化粧品の体験がECで行うことができるようになりました。

それにより、ユーザー体験が向上しECサイトでの売上を伸ばしています。

オルビス

スキンケア・化粧品、ダイエット、美容サプリメント・健康食品などコスメ関連の商品を提供する「オルビス」は、常にECサイト売上ランキングでは上位にランクインしており、注目を集めている企業です。

オルビスが運営するECサイトの取り組みの一つに、「Style Share(スタッフ シェア)」があります。これは、実店舗に在籍するビューティーアドバイザーがECサイト上でお気に入り商品を紹介するというものです。

店舗スタッフが商品レコメンドや商品を使用したスキンケアの提案を行い、ECサイト上で「スキンケア」「メイクアップ」など商品カテゴリー、年代や肌質、肌色などから絞り込むことができるようになっています。それにより、同じ悩みを持つスタッフのレコメンド商品を見つけることができ顧客ロイヤリティの向上に繋げています。

ECサイト成功事例【総合】

ここでは、美容・ファッション・雑貨など多様な商品を販売する「無印良品」のECサイトの成功事例をご紹介します

無印良品

衣服、生活雑貨、食品という7000品目以上の商品を取り揃えており世界各国に700店舗持つ「無印良品」は、2013年に自社ECアプリである「MUJI passport」のローンチを始め、今では国内会員数140万人のユーザーを所有しています。

会員を多く獲得できた要因として、クーポン配布があります。

無印良品が毎年5〜6回おこなう「無印良品週間セール」では、アプリ上にクーポンが配布され全商品10%OFFが適用されます。また、商品会計時につく「MUJIマイル」を貯めるとクーポンがもらえます。

MUJIマイルもユーザーが楽しんでマイルを貯めてもらえるようなデザインになっておりユーザー体験向上にもつながっています。

ECサイト成功事例【電化製品】

最後に、電化製品業界のECサイトの成功事例をご紹介します。

ヨドバシカメラ

実店舗で家電や雑貨の販売を展開する「ヨドバシカメラ」は、2021年にECサイトでの販売比率を30%から50%までの引き上げに成功しています。

ECサイトの売上増加の理由は、「商品の豊富に取り揃える」「配送料無料」があります。コロナ以前のECサイトで取り扱われていた商品数が600品目に対して、コロナ後は800品目に増やし、配送料は、購入金額問わず原則無料の対応を行っています。

配送料については、商品購入の意思決定に大きく影響するため、その部分を無料化することは新規顧客獲得にも大きな影響を与えているといえるでしょう。

カメラのキタムラ

写真現像やカメラ・デジカメの販売、買取などを行う「カメラのキタムラ」は、ECサイトで購入した商品を店舗で受け取ることのできる「店受取受注型」を取り入れ、売上を順調に伸ばしています。

店舗受取にすることで、配送料が無料になるため、今では宅配よりも店舗受取の割合が大きく占めているとのことです。

さらに、中古買取を行っている店舗では、商品を買取ったあと、自社ECサイトで販売を行い、商品を購入する場合、ネットから受け取り店を指定できるようになっています。そうした販売形式を取ることで、リピート率の向上に繋げています。

ビックカメラ

ヨドバシカメラと同じく、家電や雑貨など幅広い商品を販売する「ビックカメラ」は、2020年4月時点のECサイト会員登録者数が、前年比3倍の功績をあげています。

その成功要因の1つに、「実店舗とECサイトのポイント」の共有があります。

コロナ禍は多くの人が買い物や旅行に行けずに、貯めていたポイントの有効期限が切れてしまうという問題が多く挙げられていました。

そうした中でビックカメラは、実店舗を利用していた人たちが貯めていたポイントをECサイトでも利用することができるため、オンラインでの買い物に誘導して売上を上げました。

また、ECサイトは初心者にも使いやすい構成になっており、従来、商品カテゴリーはヘッダー部分に表示されることが一般的ですが、ビックカメラのECサイトでは商品カテゴリーが大きく目立つ位置に表示されています。

欲しい家電のジャンルをクリックすることで、商品名や型番がわからなくても、商品ページまでたどり着ける導線になっています。

このように、ユーザー目線でのUIを行ったことで利用者の向上につながったと考えられるでしょう。

ECサイト運営成功のために「ライブコマース」を活用しよう

ECサイト成功のポイントとして、下記のポイントを挙げ、具体的な成功事例を紹介してきましたが、これらのポイントの多くを一度に満たすことができる施策が「ライブコマース」です。

①購入のハードルを下げる

②購入までの導線を短くする

③ECサイトの遷移スピードを早くする

④カスタマーサービスの質を高める

⑤顧客のショッピング体験をパーソナライズする

ライブコマースとはオンラインのライブ配信を通じて商品紹介や販売を行う新しい販売手法です。コロナ禍で店舗来店が減少した影響で、多くの企業で導入が進んでいます。ライブコマースでは企業のスタッフやインフルエンサーが出演し、ECサイトではなかなか伝わりづらい商品の魅力をリアルタイムの映像を通して視聴者に伝えることができます。

さらに、視聴者はチャット機能を用いて配信者・ブランドとコミュニケーションを取ることができます。商品購入にあたって不安に思っていたことをその場で解消でき、そのまま購入することができます。ECサイトの商品購入率が2~3%と言われるなか、ライブコマースの平均購入率は平均10%とも言われています。

ECサイト運営成功&ライブコマースならBIPROGY株式会社の「Live kit」におまかせ

BIPROGY株式会社は、通販・EC業界のお客様を30年以上に渡り支援してきた豊富な実績に基づき、通販・EC事業運営を強力にサポートいたします。

また「ライブコマース」についてもSaaS型ライブコマースサービス「Live kit」を提供しており、ECサイトとライブコマースを組み合わせて成果を上げられるよう、専門のカスタマーサクセスチームがはじめてのライブコマースを全面的に支援します。

ECサイト運営にお困りのご担当者様、ライブコマースをご検討中の方は是非一度お問い合わせください。

まとめ

今回はECサイトの成功ポイントから各社ECサイトの成功事例について紹介しました。

ECサイトの成功ポイントとして下記の内容を意識して運用を心がけてみてください。

①購入のハードルを下げる

②購入までの導線を短くする

③ECサイトの遷移スピードを早くする

④カスタマーサービスの質を高める

⑤顧客のショッピング体験をパーソナライズする